2013/02/11

館長トーク「二枚の西周像、そしてふたつの時間」が行われました



ぽかぽかとした暖かい陽気に恵まれた2月10日(日)、神奈川県立近代美術館 館長 水沢勉による館長トーク「二枚の西周像、そしてふたつの時間」が行われました。
今回のプログラムは、現在葉山館で開催されている展覧会「美は甦る 検証・二枚の西周像—高橋由一から松本竣介まで」[会期〜3/24(日)]との連動企画で、水沢館長と担当研究員と対話しながら展覧会の見所を観覧した後、参加者全員で美術館の庭に移動して「TWO TIMESーふたつの時間」を鑑賞しました。

「美は甦る 検証・二枚の西周像—高橋由一から松本竣介まで」展 詳細ページ
 (神奈川県立近代美術館ウェブサイト)


 美術館エントランスホールで水沢館長による展覧会の解説と、修復の仕事、「美術品レスキュー」の活動について、当館の修復・保存を担当する研究員のお話を伺います。
本展覧会は高橋由一の作と考えられる《西周肖像画》が津和野の神社から発見された事により、すでに高橋由一作として知られている津和野町立津和野郷土館所蔵の《西周像》と比較検討するため、当館学芸スタッフが中心となって修復調査研究チームが組まれたことから生まれた企画です。同時開催として東日本大震災で被災した石巻文化センター所蔵の美術作品のうち13点の被害状況とその後の修復作業によって甦った姿を展示し発表しています。120年前に描かれた2枚の《西周肖像画》と、近年当館で修復された岸田劉生、藤田嗣治、松本竣介などの近代日本美術の作品展示を中心に、2年前に東日本大震災で被災した美術品が、修復の技術によって新たな命を吹き込まれ、甦った姿をご覧いただく展覧会として「美は甦る」とタイトルをつけたと館長。


こちらは東日本大震災で被災した作品が展示された展示室です。修復途中の作品1点があえて展示され、実際にその状態を見ながら、修復の工程や技法について担当研究員が解説します。
参加者からの質問や意見が活発に飛び交い、時間はあっという間に過ぎて行きます。



展示室で展覧会の見所を解説した後は、参加者全員で美術館散策路へ移動し、「TWO TIMESーふたつの時間」を鑑賞しました。










2012年8月に2体のゴームリーの彫刻がこの地に降りたってから約半年。あずまや前に立つ鋳鉄の彫刻も、初めの頃と比べて随分と錆の色や進み具合が変化し、まさに「葉山ナイズ」されてきました。
すっかり葉山に馴染んだゴームリーの彫刻も、この地に居られるのも3月3日(日)までとあとわずか。まだご覧になっていない方はぜひゴームリーの彫刻に会いに、既にご覧になった方も見納めに、ぜひ葉山までお越しください。展示最終日まで、充実の関連プログラムをご用意してお待ちしております。(N.H)

関連プログラムの詳細はこちらから



◆番外編

この日ご来館されたお子さんでしょうか?
あずまや前のゴームリー彫刻に、ヤツデの葉でブレスレットを作ってくださいました。