アントニー・ゴームリー氏とTWO TIMES ©Antony Gormley,Photo ©Ryo Fujishima |
柔らかな秋の日差しと、さわやかな晴天に恵まれた11月4日(日)、本プロジェクトの作家アントニー・ゴームリー氏が神奈川県立近代美術館 葉山に来館し、終日、葉山町の方々や来館者の方々と交流する関連プログラムが行われました。同日開催されたイベントの写真とともに、葉山を訪れたゴームリー氏の1日をご紹介いたします。
1. 9:30〜 「葉山町の方との町歩き」
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美術館の近隣にお住まいの有志の方の案内で、館長や担当学芸員らと共に美術館周辺を散策しました。
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美術館前のバス通りから一歩足を進めると、緑にかこまれた小道や、かつての別荘の名残を残す家々など、どこか懐かしい雰囲気が漂う景色が広がります。
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町の方だからこそ知る葉山の風景にゴームリー氏も大変心を惹かれた様子で、しきりにカメラのシャッターを切っていらっしゃいました。
2. 11:00〜「〈報道関係者向け〉作品解説ツアー」
葉山町 山梨崇仁町長とゴームリー氏 Photo ©Ryo Fujishima |
このツアーには、抽選で選ばれた葉山町在住の方々の他に、プロジェクトの後援を頂いている葉山町の山梨崇仁町長、畑中由喜子町議会議長、豊田茂紀教育長らも参加されました。
「こういうプロジェクトは沢山行っているが、どんな場合でも法律や地域のルールなどとのすり合わせは必要。町との対話は大切なことだ。今回、海辺設置が実現しなかったのは確かに残念ではあるが、対話は必要な事だ。今の(海を望む庭に立てられた彫刻の)場所も気に入っている。」とゴームリー氏。
3. 13:30〜 「講演会『Antony Gormley ”ON TIME”』」
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「絶対に確かなのは『我々が確実に知っていることは何もない』ということだ」
「立っている姿勢の彫刻を『動かないもの』と見るだろうが、実は、地球規模で言えば自転の速度で、さらに言えば公転の速度で、さらには銀河系の動く速度、もっといえばビッグバン以来膨張し続けている宇宙のすさまじい速度で、動き続けている。『距離感』を遠くにとってみると、様々なことが見える」
など、作品に端を発しつつ、ご自身の世界観を含めてお話しくださいました。
その後、会場から寄せられる質問に対して40分近くに渡り、丁寧にかつ誠実に回答いただきました。
4. 15:30〜 「作家交流会」
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ゴームリー氏による挨拶の後、皆で海に面した庭まで下りていき、作品を前にゴームリー氏の作品解説に聞き入りました。
作品解説ツアーに参加した方々から次々と質問が飛び交い、講演会に続き活発な質疑応答が繰り広げられました。
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「午前中に葉山の町を歩いて、細い道や木の間を歩いたり、古い家が残っているのを見た。海と町の同居する環境が素晴らしいと実感した。この場所でプロジェクトが出来たことが本当に嬉しい。」と繰り返しお話されていました。
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10月から11月にかけて、ブラジル、アメリカ、香港という強行なスケジュールを経て日本に来日したゴームリー氏。東京での大林賞授賞式に出席した後葉山に滞在されましたが、早朝から分刻みで行われたプログラムに笑顔を絶やさず、積極的かつ真摯に来場者の方と向き合う姿勢に、非常に感銘を受けました。
ゴームリー氏の来日を経て、12月からはプロジェクトの関連プログラムが本格的に始動します。ゴームリー氏の「TWO TIMES」の世界観を体験しに、ぜひご来館ください。
【番外編】
超がつくほどハードなスケジュールをこなすゴームリー氏。分刻みでスケジュールが進行する中、ご自身の彫刻近くにあるあずまやで海を眺めながら昼食中。
波の音を聞きながら、自ら制作した彫刻と同じように海のかなたに目をやり「この美しい光景をもっとずっと見ていたい」と話しておられました。
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ゴームリー氏は、ご自分のカメラで葉山の自然を逐一撮影されていました。
こちらはご自分の彫刻を背後から撮影中です。
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終日に渡り、見事な姿を現していた富士山。美術館の中庭から、葉山ならではの風景をパチリ。
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旧知の写真家の安斎重男氏と、友人でもある彫刻家の舟越桂氏と。再会を喜び、和やかな談笑のひと時を過ごしました。
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2013年2月に「TWO TIMES」の関連プログラムとして、ワークショップを行う彫刻家の西雅秋氏と。
海に面したゴームリー氏の彫刻と並んで、西氏の漁船から型をとって制作した作品《大地の雌型より》が展示されています。
「お隣さん同士だね」と会話も弾みました。
(M.L)(N.H)