2013/03/17

プロジェクト終了のあいさつとプロジェクトDVD上映会のご案内


ⓒAntony Gormley, PhotoⓒTadasu Yamamoto

去年2012年夏以来、約200日間、当館敷地内に設置され、葉山の海と空と対話を続けたゴームリー作品は、3月3日のプロジェクト終了にともない無事撤去されました。作品との出会いが、葉山の時空との新しい、そして忘れがたい出会いを育んでくれました。皆様のご協力とご支援、まことにありがとうございました。

3月24日(日)午後2時より講堂にて本プロジェクトを記録したDVDの上映会を開催いたします。ぜひご参加ください。

                                             2013年3月  神奈川県立近代美術館長 水沢勉


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プロジェクト報告会・DVD上映会
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プロジェクトの準備段階から作品設置作業の裏側、作家の来日、そして作品の撤去まで、1年以上にわたるプロジェクトの軌跡をまとめたドキュメンタリーDVDの上映会を行います。どなたでもご参加いただけますのでぜひお越しください。

日 時:3月24日(日)14:00〜
場 所:神奈川県立近代美術館 葉山 講堂
    ※申込不要、定員70名[当日先着順]、無料



2013/03/16

3月4日・5日に、作品の撤去作業を行いました



3月4日(月)に、屋上とあずまやの両方の作品の撤去作業を行い、作品は目に見えるところからなくなりました。3月5日(火)にはあずまや横の基礎撤去作業も終了し、作品があった場所は元の通りにもどされています。



庭のあずまや横に立っていた彫刻の、右足を支えていたボルトのワッシャー。土踏まずの部分でワッシャーが露出しないように、端を斜めに削り落としてあります。










屋上作品の撤去作業:建築上の制限で一カ所に重さを集中できない屋上では、広い面積に総計900Kg近い重量をかけた基礎を作っていました。その突端に、ボルトで固定されていた彫刻。3月4日に作品を基礎から抜き、基礎も解体です。










あずまや横の撤去作業:あずまや横の彫刻設置では、彫刻を水平に、かつ地面にごく自然に立っているようにするため、様々な厚さのワッシャーを組み合わせて、足を支えました。













基礎から抜かれた作品の足裏:右足先端に近い方が、先ほどの写真のワッシャーです。












ボルトを抜いた後の足の裏:この穴の内部にはボルトの山が切ってあり、長いボルトをねじり入れて彫刻とボルトを固定し、ボルトを基礎に落とし込んで止めることで、作品が固定されています。












彫刻が現れる前の風景と、記憶の中の彫刻があったときの風景と、撤去されてもとに戻ったはずの風景。もとにもどっただけのはずなのに、なにかが違って感じられます。彫刻があったときにははっきり見えていた周囲の風景が、今はぼんやりかすんで見えるような気もします。

ゴームリーの彫刻と過ごした201日間は、本当に素晴らしい時間でした。

葉山までお越し頂いた皆様に、心から御礼を申し上げます。
ご来場いただきありがとうございました。(M.L)(N.H)



◆作品公開日数 201日(2012年8月14日〜2012年3月3日)
◆観覧者総数(推定)42,725人

2013/03/09

展示終了のご報告と、3/24(日)プロジェクト報告会のご案内

3/3(日)の展示最終日をもって、ゴームリー彫刻2体の展示が終了致しました。
ご来場いただき誠にありがとうございました。

本プロジェクトのまとめとして、3/24(日)午後14時から、「アントニー・ゴームリー彫刻プロジェクト IN 葉山 TWO TIMESーふたつの時間」のプロジェクト報告会、並びに、プロジェクトの記録をおさめたDVDの上映会を行います。
どなたでもご参加いただけますのでぜひお越しください。

なお、このサイトでは、3月末(予定)まで随時プロジェクトの最新情報を発信して参ります。どうぞ引き続きご覧ください。(N.H)


プロジェクト報告会・DVD上映会
日時:2013年3月24日(日)14:00〜
場所:神奈川県立近代美術館 葉山 講堂
   ※申込不要、定員70名[当日先着順]、無料




2013/02/25

3/3(日) ジャズピアニスト 山下洋輔氏によるパフォーマンス   ※申込不要、無料

©Kiyomitsu Shirouzu


「TWO TIMES—ふたつの時間」の展示最終日を記念して、フリー・フォームのエネルギッシュな演奏でジャズ界に大きな衝撃を与えるジャズ・ピアニストの山下洋輔氏をお迎えし、30 分程度のパフォーマンスを行います。ぜひお越し下さい。
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「ジャズピアニスト 山下洋輔氏によるパフォーマンス」

出 演 :山下 洋輔氏(ジャズ・ピアニスト)
日 時 :2013年3月3日(日)14:00ー14:30(予定)
会 場 :神奈川県立近代美術館 葉山 中庭
 ※申込不要、無料、雨天決行
 ※ご来場のお客様によるパフォーマンスの撮影・録画は禁止とさせていただきます。
 ※お立ち見での鑑賞となりますので何卒ご了承ください。
 ※本プロジェクトDVD・報告書作成の為、 当日の模様を撮影・録音いたします。

◆出演者の紹介 山下洋輔氏  (Yosuke Yamashita)  piano


 1969年、山下洋輔トリオを結成、フリー・フォームのエネルギッシュな演奏でジャズ界に大きな衝撃を与える。国内外の一流ジャズ・アーティストとはもとより、和太鼓やシンフォニー・オーケストラとの共演など活動の幅を広げる。88年、山下洋輔ニューヨーク・トリオを結成。国内のみならず世界各国で演奏活動を展開する。
 2006年オーネット・コールマンと、07年にはセシル・テイラーと共演。08年「ピアノ協奏曲第3番<エクスプローラー>」を発表。
 09年、一柳慧作曲「ピアノ協奏曲第4番 "JAZZ"」を世界初演。歴代メンバー総出演の「山下洋輔トリオ結成40周年記念コンサート」を開く。11年、ニューヨーク・トリオのアルバム『ディライトフル・コントラスト』をリリース。12年2月、古稀記念のコンサートをベトナム・ハノイで開催。11月、12年ぶりのソロピアノ・アルバム『スパークリング・メモリーズ』をリリース。
 99年芸術選奨文部大臣賞、03年紫綬褒章、12年秋の叙勲で旭日小綬章受章。国立音楽大学招聘教授。演奏活動のかたわら、多数の著書を持つエッセイストとしても知られる。最新作は『即興ラプソディ−私の履歴書−』。(2013.01)




2013/02/20

2/24(日) 田中泯氏によるパフォーマンス「田中泯『場踊り』ーカラダトアタシー」※申込不要、無料

[2013.2.15更新]

インドネシア場踊り©Daizaburou Harada

みずからの身体の置かれた場に感応しながら、従来のダンスの枠にとらわれない自在な身体表現の可能性を追求する田中泯氏が、ゴームリーの「ふたつの時間」とその独自な踊りによってデュエットします。わたしたちは「場」と「彫刻」を変容させるスリリングな一度限りの出来事を目撃することになるでしょう。

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【パフォーマンス②】「田中泯『場踊り』ーカラダトアタシー」

出 演:田中 泯氏(ダンサー)
日 時:2013年2月24日(日) 14:00〜(約1時間の予定)
会 場:神奈川県立近代美術館 葉山 敷地内

※申込不要、無料、雨天決行
※パフォーマンスをカメラを通じてではなく肉眼でご覧いただきたいとの出演者の意向により、 ご来場のお客様によるパフォーマンスの撮影・録画は禁止とさせていただきます。ご了承ください。
※美術館の敷地内(屋外)を移動しながらの約1時間のパフォーマンスとなります。お立ち見での鑑賞となりますので何卒ご了承ください。
※本プロジェクトDVD・報告書作成の為、 当日の模様を撮影・録音いたします。
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[New!!] 「サイン会のお知らせ」
パフォーマンス終了後の15:30〜16:00、美術館のミュージアムショップと工作舎(出版社)主催による田中泯氏のサイン会が行われることになりました。
美術館ミュージアムショップで田中泯氏の著書をご購入いただいた方には、ご本人がサインに応じてくださいます。ぜひお越し下さい。


◆出演者の紹介 〜 田中泯氏(ダンサー)
©Madada Inc.
1945年東京生まれ。クラシック・バレエとモダンダンスを学び、66年からソロダンス活動開始。「ハイパーダンス」と称して新たな踊りのスタイルを発展。78年パリ秋芸術際「日本の間」展で海外デビュー。国内外で独舞、グループ作品の公演を数多く行う。85年山梨県の農村に移住、農業生活を開始。97年伝統的舞踊の資料収集「舞踊資源研究所」設立。00年、拠点を同県内「桃花村」移す。現在、意欲的に「場踊り」を展開中。また、ダンサーとしての経験を生かし、映画、TVドラマ・ドキュメンタリーなどで活躍もしている。土方巽に私淑。◎著書『僕はずっと裸だった』(2011年、工作舎刊)
 →田中 泯 オフィシャルサイト http://www.min-tanaka.com/





2013/02/18

「美術館バックヤードツアー」が行われました




「TWO TIMESーふたつの時間」の展示終了まで残り半月となった2/16(土)、神奈川県立近代美術館 葉山にて「美術館バックヤードツアー」が行われました。
このプログラムは、「TWO TIMESーふたつの時間」の担当学芸員が、普段は立ち入る事のできない美術館のバックヤードをご案内しながら、展覧会ができるまでのお話や、学芸員の仕事、美術館の役割についてざっくばらんにお話をさせていただき、参加者の皆さんに、より一層美術館に親しんでいただきたいとの思いで企画されました。

それでは当日の様子を写真とともに振り返って参りましょう。


1.講堂にて「美術館を知る」DVDの上映

前日の駆け込みでのお申し込みで定員一杯となった今回のツアー。
参加者の方々にはまず美術館の講堂にお集まりいただき、神奈川県立近代美術館の3館(鎌倉館・鎌倉別館・葉山館)と、美術館のバックヤードをご紹介したDVDをご覧いただきました。







2.作品搬入を行う搬入口(トラックヤード)へ
DVDで美術館の基礎知識をつけていただいた後は、中庭から関係者入口を通り、作品の搬入が行われる搬入口へご案内しました。
美術館の搬入口は、作品が運ばれてきたトラックが到着した際、海の潮や外気の埃等が美術館の中に入らないように両側のシャッターを閉めて換気をする設備がついています。数十分間の換気の工程を経てはじめてトラックの荷台を開け、美術品は館内に入ります。


現在トラックヤードには、2体のゴームリー彫刻が収められていたクレート(梱包用の箱)が保管されています。この2つの大きな木箱に入れられて、ゴームリーの彫刻たちはイギリスからやってきました。
担当学芸員がクレートの仕組みや作品の海外輸送について参加者の皆さんに解説します。






3.学芸室と図書室の書庫へ

搬入口をご覧いただいた後は、関係者入口から館内へ入り、学芸員達が日々仕事をしている学芸室へご案内しました。
沢山の書籍やカタログ、参考資料で埋め尽くされた学芸室ですが、この場所で、今この瞬間も、展覧会が生み出されています。普段は見ることのできない裏方の様子に、参加者の皆さんも興味深くご覧になっていました。

学芸室の後は隣にある図書室へ。
司書の方の案内で、普段は立ち入る事のできない書庫の中にも入りました。
床下の金網越しに見える地下までぎっしりと詰まった蔵書の数々に、参加者の方々も驚かれたご様子。
図書室は美術館開館時間は無料で入れますのでぜひご利用くださいね。






4.管理課、そしてエントランスへ

学芸室や図書室のある地下から、美術館の非常階段を使って、展示室の上の階まで上がっていきます。


展示室の上の階には館長室と、美術館の予算や、総務関連の仕事、人事、管理系の業務を行う管理課のオフィスがあります。
バックヤードツアー参加者の皆さんを、副館長や管理課のメンバーがお出迎えしました。
管理課のオフィスからスタッフ専用の階段を通り、見慣れた場所に出て来ました。展示室へと続くエントランスホールです。
葉山館は、葉山の美観を損なわないように住民の方々との話し合いを重ね、上へ上へと伸びる建物ではなく、地下を利用して極力高さを抑えた設計の元、今から10年前に建てられました。地下と斜面を利用した内部構造は、慣れてしまうとわかりやすいのですが、美術館に慣れていない新人スタッフだと自分が何処に居るかわからなくなってしまう事もあります。参加者の皆さんは一度で美術館の構造を把握されたでしょうか??





5.散策路を通ってゴームリー彫刻へ



ゴームリーの彫刻が撤去されるまで残り約半月。担当学芸員の解説にも力が入ります。






6.講堂にて質疑応答
ゴームリー彫刻前での解説の後は、講堂に戻って質疑応答の時間です。ツアーを通じて美術館の運営に更に興味を持った方から次々に質問が寄せられ、担当学芸員がひとつひとつ丁寧にお答えいたしました。皆さんから寄せられた質問をいくつかご紹介いたしましょう。

・美術館の学芸員は公務員なのですか?
・学芸員になるには資格がいるのですか?
・海外と作品を貸し借りする際、貿易収支はどのようになっているのですか?
・作品を借りるときはお金がかかるのですか?
・毎年作品はどのくらい購入できるのですか?購入資金は税金ですか?
・作品が減ることはあるのですか??   等々・・・



質疑応答の後はアンケートにご協力きただき、「美術館バックヤードツアー」は盛況のうちに終了しました。ご参加いただいた皆様、どうもありがとうございました。
ゴームリーの「TWO TIMESーふたつの時間」はあと半月ほどで展示が終わってしまいますが、これからもお庭を散歩するようにお気軽に、神奈川県立近代美術館に遊びにいらしてください。(N.H)








2013/02/11

館長トーク「二枚の西周像、そしてふたつの時間」が行われました



ぽかぽかとした暖かい陽気に恵まれた2月10日(日)、神奈川県立近代美術館 館長 水沢勉による館長トーク「二枚の西周像、そしてふたつの時間」が行われました。
今回のプログラムは、現在葉山館で開催されている展覧会「美は甦る 検証・二枚の西周像—高橋由一から松本竣介まで」[会期〜3/24(日)]との連動企画で、水沢館長と担当研究員と対話しながら展覧会の見所を観覧した後、参加者全員で美術館の庭に移動して「TWO TIMESーふたつの時間」を鑑賞しました。

「美は甦る 検証・二枚の西周像—高橋由一から松本竣介まで」展 詳細ページ
 (神奈川県立近代美術館ウェブサイト)


 美術館エントランスホールで水沢館長による展覧会の解説と、修復の仕事、「美術品レスキュー」の活動について、当館の修復・保存を担当する研究員のお話を伺います。
本展覧会は高橋由一の作と考えられる《西周肖像画》が津和野の神社から発見された事により、すでに高橋由一作として知られている津和野町立津和野郷土館所蔵の《西周像》と比較検討するため、当館学芸スタッフが中心となって修復調査研究チームが組まれたことから生まれた企画です。同時開催として東日本大震災で被災した石巻文化センター所蔵の美術作品のうち13点の被害状況とその後の修復作業によって甦った姿を展示し発表しています。120年前に描かれた2枚の《西周肖像画》と、近年当館で修復された岸田劉生、藤田嗣治、松本竣介などの近代日本美術の作品展示を中心に、2年前に東日本大震災で被災した美術品が、修復の技術によって新たな命を吹き込まれ、甦った姿をご覧いただく展覧会として「美は甦る」とタイトルをつけたと館長。


こちらは東日本大震災で被災した作品が展示された展示室です。修復途中の作品1点があえて展示され、実際にその状態を見ながら、修復の工程や技法について担当研究員が解説します。
参加者からの質問や意見が活発に飛び交い、時間はあっという間に過ぎて行きます。



展示室で展覧会の見所を解説した後は、参加者全員で美術館散策路へ移動し、「TWO TIMESーふたつの時間」を鑑賞しました。










2012年8月に2体のゴームリーの彫刻がこの地に降りたってから約半年。あずまや前に立つ鋳鉄の彫刻も、初めの頃と比べて随分と錆の色や進み具合が変化し、まさに「葉山ナイズ」されてきました。
すっかり葉山に馴染んだゴームリーの彫刻も、この地に居られるのも3月3日(日)までとあとわずか。まだご覧になっていない方はぜひゴームリーの彫刻に会いに、既にご覧になった方も見納めに、ぜひ葉山までお越しください。展示最終日まで、充実の関連プログラムをご用意してお待ちしております。(N.H)

関連プログラムの詳細はこちらから



◆番外編

この日ご来館されたお子さんでしょうか?
あずまや前のゴームリー彫刻に、ヤツデの葉でブレスレットを作ってくださいました。